初めてでも安心!出産内祝いののしのマナー
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初めてでも安心!出産内祝いののしのマナー

出産内祝いは、出産祝いに対するお礼の品です。出産内祝いには、しっかりのしを掛けて表書きを書いて贈ることが大切。ここでは、出産内祝いののしの選び方や表書きの書き方など、基本的なマナーを紹介します。

出産内祝い用「のし」と「包装紙」イメージ

目次

出産内祝いとは?簡単なおさらい

出産内祝いとは、出産祝いを贈っていただいた方へ贈るお礼の品物です。従来の出産内祝いは、慶事のあった方が「幸せのお裾分け」といった意味合いを込めて親しい方へ贈り物をすることでした。しかし現代では、「出産祝いに対するお返しの品」として扱われることがほとんどです。出産内祝いを贈る時期としては、赤ちゃんが生後1ヶ月を迎える頃が適切です。遅くとも、赤ちゃんの生後2ヶ月頃までに贈るのが礼儀になっています。

また、出産内祝いは「いただいたお祝いの半額程度の金額」を目安に選ぶのが一般的。いただいたお祝いと比べて大幅に安すぎるのはもちろんですが、かといって高額すぎるのも考えものです。お相手を委縮させないためにも、半額程度の金額を目安に品物を選びましょう。ただし、家族や親しい親族から高額のお祝いを贈られることもあります。この場合は無理に半額にこだわる必要はありません。きっちり半額分のお返しをしてしまうとかえって失礼になってしまうことがあるため、3分の1程度の金額を目安に選びます。

贈る品物としては、食品や消耗品などいわゆる「消え物」と呼ばれるアイテムが人気です。とくにスイーツや洗剤、各種アメニティグッズなどが定番になっています。

そもそも「のし」とは?

出産内祝いでは「のし(熨斗)」をつけるのが基本的な礼儀です。そもそも「のし」とは、出産内祝いや結婚内祝いの贈り物に添える飾りのことを指します。近年では「のし紙」という、飾りが印刷された用紙を品物に掛けて相手へお送りするのが一般的です。

のしの由来は、アワビを薄く伸ばして作る「アワビのし」にあるといわれています。アワビは健康長寿を示す縁起物とされており、古くから贈答品として重宝されてきました。時代が進むにつれ「のし」という名称が引き継がれ、近年の「のし紙」「のし袋」へ変化したと考えられています。

出産内祝いの「のし」

ここでは「出産内祝いにはどのようなのしを選べばいいのか」「表書きはどのように書くのか」などの基本マナーを解説していきます。

出産内祝いに「のし」が必要な理由

親しい方へ贈る品物とはいえ、出産内祝いはフォーマルな贈り物です。のし紙があることで贈り物としての体裁が整い、お相手に対する感謝の気持ちも伝わりやすくなります。くわえてのし紙があると、表書きから贈り物の用途がわかります。「何の贈り物だろう?」とお相手を戸惑わせないためにも、のし紙は必要だといえるでしょう。

表書きは「内祝」

表書きとは、飾り紐の水引が描かれている上部を指します。この表書きを「内祝」とすることで、何の贈り物なのか一目で把握できます。出産内祝いの場合は単に「内祝」または「出産内祝」と記載するのが一般的です。「御礼」と書くと「品物をもらったのでお返しする」という義務的なニュアンスが出てしまうため、内祝いにはふさわしくありません。

名前書きには赤ちゃんの名前を書く

のし紙の下部分には、名前を記載する「名前書き」があります。出産内祝いの場合、名前書きはご両親の名前ではなく赤ちゃんの名前を記載しましょう。出産内祝いの贈り物には、赤ちゃんの名前をお披露目する意図もあるからです。また、出産祝いはあくまで「赤ちゃんに対しての贈り物」であるとされているため、お礼の品である出産内祝いの名前書きもそれに合わせる必要があります。両親の名前を書かないよう注意しましょう。

赤ちゃんの名前が読みにくい漢字の場合には、フリガナをつけることも大切です。ちなみに、双子の赤ちゃんの場合はふたりの名前を並べて書いて問題ありません。

水引は蝶結びを選ぶ

水引とは、飾り紐のことで、のし紙には通常印刷されています。水引は色や結び方で異なる意味合いを持っており、慶事や弔事など場面別に使い分ける必要があります。出産内祝いでは、「紅白・蝶結び」になっている水引のものを選びましょう。蝶結びは、何度でもすぐに結び直せる結び方。転じて、何度あってもおめでたい・喜ばしいことの慶事に使われます。出産は何回あってもおめでたい慶事であるため、蝶結びがふさわしいとされているのです。蝶結びの水引は出産内祝いのほか、進学や入学、お中元などの贈り物でも使われます。

ちなみに、同じ慶事であっても出産内祝いと結婚内祝いではふさわしい水引の種類が異なります。結婚は一般的に1回きりであること・二度と繰り返さないことが理想とされているため、蝶結びではなく「結び切り」の水引を選ぶのが適切です。同じく、病気やケガからの回復を祝う「快気祝い」も結び切りの水引が適しています。

掛けるときは「内のし」で

のしを掛けるときは、包装紙の外側に掛ける「外のし」と品物が入った箱やケースにのしを掛ける「内のし」があります。出産内祝いには後者の「内のし」がおすすめです。内祝いは自分のお祝い事であるため、「控えめに見せるのが好ましい」という考えがあります。よって、送り主がすぐにわかる外のしではなく、内側に忍ばせられる内のしが選ばれることが多いのです。また、宅配便や郵便で贈り物を送る際は、のしが汚れたり破れたりする可能性があります。内のしであれば上から包装紙で包むため、その心配もありません。

直接手渡しする場合は「外のし」で

贈り物を直接手渡しする場合は、内のしではなく外のしにしましょう。その理由は、手渡しであれば途中で汚損する可能性が低く、贈り物の用途が一目でわかったほうが良いためです。

「のし」が無いのは基本的にマナー違反

出産内祝いをはじめ、内祝いの品にはのしを掛けるのが礼儀といえます。とくに上司や年配の親戚、お付き合いがあまり深くない関係者へはのしを掛けて品物を贈るのが無難です。ただし例外として、サイズが大きくのしが掛けられない品物(両親やとくに親しい方へ贈る家電やインテリアなど)はのしがなくても問題ありません。

「のし」はどこで用意する?

デパートやギフトショップなどでは、基本的に無料でのしを掛けて包装してもらえます。また100円ショップや文具店では、A4・B5などのサイズ別ののし紙が用意されているため、そこで入手するのも良いでしょう。「対応サイズがない」という場合は、無料でダウンロードできるテンプレートを使って自作するのも手です。

サイズによっては「短冊のし」でもOK

贈り物のサイズによっては、従来ののしが掛けられない場合もあります。その場合は、略式ののし紙である「短冊のし」を使っても問題ありません。文字通り短冊状の小さなのしであるため、贈り物がコンパクトな場合にとくに重宝します。

地域によって「のし」の扱いが異なることも

地域によっては、のしに関するマナーが多少異なっている場合もあります。不安な場合は、家族や親族などに確認をとっておくと安心です。

出産内祝いを贈る前に知っておきたい基本マナー

出産内祝いは、お祝いを贈ってくださった方へお礼を伝えるための贈り物です。せっかく良い品物を選んでも、基本的なマナーを守れていなければ印象が悪くなってしまいます。そうならないためにも、出産内祝いを贈る際の基本マナーを以下で紹介します。

出産内祝いにふさわしくないとされるアイテムを避ける

たとえ良かれと思って選んだ品物でも、縁起が良くないとされるものであれば失礼にあたります。たとえばハサミや包丁、ペーパーナイフのような刃物は「縁を切る」ことを連想させ、縁起が悪いとされています。たとえこちらに悪気がなくても、相手に不快な思いをさせないよう刃物類を贈るのは避けましょう。また、「涙を拭く」、「悲しみを拭う」ことを連想させるハンカチも出産内祝いにはふさわしくないとされています。定番の嗜好品である「日本茶」も、出産内祝いにはおすすめできません。香典返しをはじめ、弔事の際に贈るアイテムとして定着しているためです。

遅れて品物を贈る場合のマナー

育児で忙しかったり体調が優れなかったりして、出産内祝いを贈るのが遅れてしまうことは十分に考えられます。その場合は、お詫びの言葉と改めて内祝いを贈る旨を伝えるお礼状を同封しましょう。可能であれば電話などで直接お詫びの言葉を伝えたうえで、内祝いを贈る旨を報告すると丁寧な印象を与えられます。

後から出産祝いをいただいた場合は?

出産祝いは、産後1ヶ月を目安に贈るのが一般的です。しかし赤ちゃんの誕生を後から知った方が、遅れて出産祝いを贈ってくださることもあります。この場合は時期にこだわらず、個別の内祝いを贈るのが良いでしょう。具体的な贈る期間としては、いただいてから1ヶ月を目安にすると良いでしょう。

写真入りの「のし」に注意

ギフトショップによっては、赤ちゃんの写真入りののし紙を作ってくれるところもあります。赤ちゃんをお披露目する良い機会ですが、これらのアイテムを使う際は相手との関係性を考慮しましょう。とくに、目上の方や年配の親族などへ贈る際は注意が必要です。昔ながらのしきたりや伝統を重んじる方からは、「失礼」と捉えられてしまうことがあります。

また、送り先にはなかなか赤ちゃんを授かれず悩まれている方もいるかもしれません。赤ちゃんの写真をのしに入れることで、かえって精神的な負担になってしまう可能性もあるのです。そうした方へも配慮して、赤ちゃんの写真入りののしやカードはごく一部の親しい方へ贈るのに留めておきましょう。

マナー違反ではないけれど配慮が必要なアイテム

明確にマナー違反ではなくても、品物によっては扱いに困ったり、相手によっては不快な思いをさせてしまったりする可能性もあります。たとえば金券や商品券は、金額内で相手が好きなものを購入できるため人気ではある一方、金額がはっきりとわかってしまうため失礼だと考える方もいます。とくに年配の方や目上の方などに贈ると、印象が悪くなる可能性があるため、これらのアイテムは家族や親しい友人へ贈るのに留めるのが無難です。

金券や商品だけを贈ると冷たくそっけない印象を与えてしまう可能性もあります。できるだけ温かみが伝わるよう、メッセージカードやお礼状を添えるのがおすすめです。

金券などと同じく、「カタログギフト」も、相手を選ぶ必要のあるアイテムです。相手に好きな商品を選んでもらえるのがカタログギフトの魅力ですが、昔ながらの伝統を重んじる年配の方には年代のギャップもあり、失礼に映ってしまうこともあるため注意しましょう。

また、「名入れギフト」を贈る際も相手へ配慮することが大切です。いくら可愛いとはいえ、送り主の赤ちゃんは贈られる側にとって「よその家の赤ちゃん」です。赤ちゃんの名前が入った食器やタオル、各種雑貨は後々の扱いに困ってしまうかもしれません。どうしても名入れギフトを贈りたい場合は、両親や兄弟姉妹、親しい親族などに絞ることをおすすめします。

メッセージカードを添える際のマナー

メッセージカードはのしとは異なり、あってもなくても問題ありません。なかには「とくにお世話になった方にはメッセージカードを添えたい」と考える方もいるはずです。メッセージカードを添える場合は、使う言葉に注意する必要があります。たとえば「切る」「流れる」などの言葉は慶事においてはタブーな忌み言葉だとされています。できる限りこれらの表現を使わずに、別の言葉で感謝のメッセージを添えると良いでしょう。また、のしの表書きと同じく「お返し」や「御礼」といった言葉を使うことも避け、「もらったのでお返ししている」「義務でやっている」という印象を和らげるのが無難です。

メッセージカードの内容は、「感謝の気持ち」「母子の様子」「今後のお付き合いについて」といった構成を意識すると良いでしょう。

喜びを分かち合えるお祝いに

本来の意味から少し変化したとはいえ、出産内祝いは「幸せのお裾分け」という意味があります。マナーを知らずに贈ってしまうと、相手に不快感を与えたり戸惑わせたりしてしまうので要注意。出産の喜びを親しい人たち皆で分かち合えるよう、のし紙をはじめ出産内祝いを贈る際のマナーをしっかり守ることが大切です。

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