内祝いのお礼状はどう書く?基本のマナーと例文を紹介
内祝いを贈る際は、品物と一緒にお礼状を添えることもマナーです。とはいえ、お礼状を書く機会はなかなかないもの。ここでは、内祝いに添えるお礼状の基本的なマナーや書き方、アレンジして使える例文をご紹介します。
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目次
内祝いにお礼状を添える必要はある?
内祝いを配送で贈る場合、お礼状を添える必要があります。ただし、お相手に直接お会いして手渡しするのであれば、お礼状は不要です。なお、お礼状を書く際は便箋やペンなどの道具もきちんと選ぶことが大切です。
便箋の選び方
上司や目上の方に対してお礼状を書く場合は、白無地の便箋・二重封筒を使います。茶封筒を使うと、事務的・形式的な印象になってしまうため要注意です。また、特にかしこまったお礼状の場合、横書きではなく縦書きで文章を書くと良いでしょう。
ペンの選び方
家族や特に親しい友人にはカードでもOK
両親や兄弟姉妹、特に親しい友人に対しては、便箋・封筒ではなくメッセージカードを贈っても問題ありません。「他人行儀」「堅苦しい」という印象にならず、なおかつきちんと感謝の言葉を伝えることができます。また、赤ちゃんや家族の写真を入れたメッセージカードにしても良いでしょう。
お礼状の基本構成
内祝いに添えるお礼状は、「時候の挨拶」にはじまり「結びの挨拶」で終わります。以下では、お礼状で書くべき内容と基本的な構成について解説しています。
時候の挨拶
冒頭では、時候の挨拶を書きます。時候の挨拶とは、季節の言葉を用いた挨拶のこと。「新春の候」や、「寒中お見舞い申し上げます」などのフレーズを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。時候の挨拶は本文に入るの前のクッションとしての役割があると同時に、暑い季節や寒い季節にお相手の健康を気遣う意味合いも持っています。内祝いのお礼状においても、忘れずに書きましょう。
以下の表で、季節ごとに使う時候の挨拶の一例を口語調と漢語調でまとめました。お礼状を書く際にお役立てください。
<季節ごとに使う時候の挨拶例>
月 | 口語調 | 漢語調 |
---|---|---|
1月 |
厳しい寒さが続いておりますが 寒さ厳しき折から |
新春の候 |
2月 | 立春とは名ばかりで厳しい寒さが続いておりますが |
残寒の候 立春の候 |
3月 |
日増しに春めいてまいりました 次第に春らしくなってまいりました |
早春の候 弥生の候 |
4月 |
うららかな季節となりました 桜の便りが聞かれる頃になりました |
桜花の候 陽春の候 |
5月 |
新緑が目にしみる季節となりました すがすがしい季節になりました |
立夏の候 新緑の候 |
6月 |
爽やかな初夏を迎え 肌も汗ばむ季節となりました |
梅雨の候 初夏の候 |
7月 |
本格的な夏を迎えました 連日厳しい暑さが続いておりますが |
盛夏の候 酷暑の候 |
8月 |
まだまだ暑い日が続いておりますが 寝苦しい夜が続いておりますが |
晩夏の候 残暑の候 |
9月 |
未だ暑さが残りますが 朝夕はめっきり涼しくなってまいりました |
残暑の候 初秋の候 |
10月 |
爽やかな秋晴れが続きますが 紅葉が楽しめる季節となりました |
秋冷の候 紅葉の候 |
11月 |
朝晩はすっかり寒くなってきました 肌寒い日が続きますが |
向寒の候 晩秋の候 |
12月 |
寒い日が続きますが 本格的な冬が到来いたしました |
師走の候 歳末の候 |
品物への感謝の言葉
時候の挨拶の次に、いただいたお祝いの品物に対する感謝の言葉を書きます。「この度は素敵な出産祝いを贈っていただき誠にありがとうございました」といった言葉を入れると良いでしょう。あわせて、自身が贈る内祝いについても触れることも忘れずに。「心ばかりの品をお贈りさせていただきました。ご笑納ください」といった文章を添えます。
簡単な近況報告
自分たちの簡単な近況報告を入れることも一般的な書き方です。結婚内祝いであれば「新生活をはじめて〇日(〇週間)、新居にもようやく慣れ始めたところです」、出産内祝いであれば「おかげさまで母子ともに元気に過ごせております」などの文章を入れます。また、出産内祝いでは、赤ちゃんの誕生日や名前の由来について書いても良いです。
今後のお付き合いについての挨拶
例えば結婚内祝いであれば、「夫婦で助け合い温かい家庭を築いていきます」、出産内祝いであれば「新しい家族とともに明るい家庭を築いてまいります」などの簡単な抱負を入れます。そのうえで、「今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします」、「新しい家族共々温かく見守っていただければ幸いです」という、今後のお付き合いに触れる文章を入れましょう。
相手を気遣う文言・結びの挨拶
「ご無沙汰しておりますが、お変わりありませんでしょうか」、「まだまだ寒い日が続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ」など、お相手のことを気遣う文言を入れると好印象を持っていただけるでしょう。そのうえで、「お近くにお越しの際は、ぜひ我が家にもお立ち寄りください」、「またお会いできることを楽しみにしております」といった結びの文を入れます。
お礼状を書くうえで把握しておきたいマナー
お礼状を書く際は、いくつかのマナーを守ることが大切です。忌み言葉や言い回しに関する注意点を中心に、具体的なマナーについて解説します。
「お返し」という言葉を使わない
「お返し」という言葉を使うと、そんなつもりはなくとも義務的なニュアンスを匂わせてしまいます。「お返しに○○の品をお贈りいたします」というような言い回しは、「感謝の印として、心ばかりの品物をお贈りいたします」という表現に言い替えると良いでしょう。
忌み言葉に注意
忌み言葉とは、不吉な出来事を連想させる言葉のことです。関係性が終わることを連想させる「終わる」「切れる」「壊れる」といった言葉のほか、離縁を思わせる「戻る」などの言葉も忌み言葉だとされています。また、「たびたび」「またまた」など同じ言葉を重ねた重ね言葉は「不幸が重なる」とされ、お礼状では不適切だとされています。
句読点を使わない
近年は気にされない方も増えていますが、「お礼状では句読点を使わない」という習慣が残っています。句読点は文章に区切りをつける役割がありますが、そこから転じて「物事が終わる・途切れる」ことを連想させるためです。また、「文章を読むのが得意でない方に対する補助であるため、目上の方へは特に失礼」とする説もあります。
とはいえ、お礼状のなかでも特別にフォーマルなものでもない限りは使っても問題ないでしょう。家族や親しい友人には通常の文章と同じように句読点を使い、年配で目上の方には句読点を使わず格式を意識したお礼状にする、といったように、書き方を分けても問題ありません。
お礼文の例文
ここでは両親をはじめ、祖父母や友人、目上の方へ宛てる場合を想定した内祝いのお礼文の例文をご紹介します。自身で言い回しを変えたり、アレンジをしたりして、お礼文を作成する際にお役立てください。
両親へ宛てる場合
例1:
梅雨明けが待ち遠しい季節になりました。この度は私たちの結婚に際し、たくさんの結婚のお祝いをいただきましてありがとうございました。 夫婦二人で相談し、新居で使う家電や家具をさっそく購入しました。これから大事に使います。 心ばかりの感謝の品物をお贈りしますので、ご笑納ください。 これからは、お父さん・お母さんのように温かい家庭を築いていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。 夏に向けてこれからも暑さが厳しくなると思いますが、くれぐれも体に気をつけてくださいね。
例2:
本格的に秋が深まってまいりました。この度は、素敵な出産祝いを贈っていただきましてありがとうございます。 おかげさまで、母子ともに健康に過ごせております。感謝の印として内祝いの品をお贈りしますので、お納めください。 これからは夫婦一緒に子育てに励んでいきます。 お父さん・お母さんの先輩として、温かく見守ってもらえると幸いです。これからもよろしくお願いします。
祖父母へ宛てる場合
例1:
朝夕はすっかり寒くなってきました。私たち二人に、素敵な結婚祝いの品をいただきありがとうございました。 おじいちゃん・おばあちゃんに結婚を喜んでもらえて、とても嬉しかったです。 ささやかではありますが、感謝のしるしに内祝いをお贈りします。これからも二人で力を合わせて温かい家庭を築いていきます。 これからも、どうぞよろしくお願いします。 風が冷たくなり寒くなってきているので、風邪をひかないよう身体に気をつけてくださいね。
例2:
まだまだ暑い日が続いておりますが、お変わりありませんか。 私たちの結婚に際し結婚祝いをいただき、誠にありがとうございます。 心ばかりの品をお贈りしますので、どうぞお納めください。 未熟ではありますが、夫婦で幸せな家庭を築いてまいります。
友人へ宛てる場合
例1:
新緑がすがすがしい季節になりました。この度は、出産祝いを贈っていただき本当にありがとうございました。 内祝いとして、心ばかりの品物を贈らせていただきましたので、ご笑納いただけますと幸いです。 過ごしやすくなってきていますが、季節の変わり目で体調など崩されないよう身体に気をつけて。 近くまで来たら、ぜひ我が家へお立ち寄りください。 今後ともどうぞよろしくお願いします。
例2:
めっきり涼しくなり過ごしやすくなってきましたが、お元気に過ごしていますか。 先日は私たちに素敵な結婚祝いを贈っていただき、ありがとうございます。 素敵なキッチングッズのおかげで、キッチンや食卓がぱっと明るく華やかになりました。 お礼の気持ちとして内祝いをお贈りいたしましたので、喜んでいただければ幸いです。 これからも夫婦共々よろしくお願いいたします。
目上の方へ宛てる場合
例1:
秋まだ遠く、厳しい暑さが続いております。 この度は私どもの結婚に際し、過分なお祝いを賜り誠にありがとうございます。 お礼のしるしとして心ばかりの内祝いの品をお贈りさせていただきますので、ご笑納くださいませ。 新居に落ち着いて数週間、ようやく新生活にも慣れてきた次第でございます。 今後とも、温かいご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 残暑なお厳しい折、くれぐれもご自愛くださいませ。
例2:
梅の便りが聞こえるこの頃、○○様におかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。 この度は私どもの結婚に際し、温かいお気遣いの品を賜り誠にありがとうございました。 お礼の品といたしまして、ささやかな内祝いをお送りさせていただきます。 未熟な私どもではありますが、今後とも温かいご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 未筆ながら〇〇様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
お礼状は基本を押さえて用意しましょう
お礼状があると、より感謝の気持ちや温かい気遣いが伝わるものです。「目上の方へ贈るあらたまったお礼状」「家族や特に親しい友人へ贈るややカジュアルなお礼状」など、贈る相手との関係性を踏まえることが重要。季節の挨拶や適切な言い回しなども調べながら、お礼状を作成していきましょう。