初節句の内祝いは何がいい?両親・祖父母などに喜んでもらえる品物と基本のマナー
初節句は、子どもの健やかな成長を願う行事です。両親や祖父母、親族から「初節句祝い」として、金品物をいただく機会でもあります。今回は、そんな初節句祝いへのお返しである「初節句内祝い」の概要や品物の選び方、贈る際のマナーをまとめました。
目次
- 初節句とは?
- 初節句の内祝いを贈る際のマナー
- お礼状は3日以内に出す
- 半額または3分の1の金額を基準に選ぶ
- 初節句内祝いを贈るタイミング
- のし紙の選び方
- 初節句内祝いの定番ギフト
- お菓子各種(洋菓子・和菓子)
- タオル
- 紅茶
- コーヒー
- 洗剤
- 名入れラベルのお酒
- カタログギフト
- 写真入りのメッセージカードも添えて
- 初節句内祝いで避けるべき品物
- 包丁やハサミなどの刃物
- 日本茶
- 塩
- クツや靴下(目上の方へ贈る場合)
- クシ
- 初節句内祝いの宴席とはどんなもの?
- 基本は堅く考えなくてもOK
- 定番のメニュー・飾りは?
- ホテル・レストランを活用する場合
- 出張シェフやケータリングを活用するのも手
- 初節句内祝いメッセージカードの例文集
- ややあらたまった印象のメッセージ例
- かしこまらない印象のメッセージ例
- 子どもたけでなく家族も嬉しい行事
初節句とは?
初節句とは、その名のとおり子どもがはじめて迎える節句のことです。男の子であれば5月5日、女の子であれば3月3日が節句にあたります。古来の日本には「季節の変わり目は病気や災いが入りやすい」という考え方があり、季節の変わり目(節目)に無病息災祈願の行事を行っていました。5月5日の端午の節句、3月3日の桃の節句はこうした考えがもとになっています。それぞれの節句に五月人形を飾ったり、ひな人形を飾ったりするのも定番です。ちなみにその他の節句には、7月7日の七夕や1月7日の七草の節句、9月9日のキクの節句などがあります。
初節句には、両親や祖父母などの親しい人を招いてお祝いの食卓を囲みます。男の子の初節句では、ちまきや柏餅、女の子の初節句では、ハマグリのお吸い物やチラシ寿司などのメニューが定番です。お祝いの食卓といっても、堅く捉える必要はありません。赤ちゃんの健康を祈願し、家族や親族で賑やかに食事を楽しむ機会だと捉えると良いでしょう。
初節句の内祝いを贈る際のマナー
初節句内祝いは、いただいた初節句祝いに対するお返しの品を指します。しかし、基本的には初節句のお祝いの席に招待しておもてなしすることがお返しとなります。したがって、食卓を囲んだ祖父母や両親、親族には改めて初節句内祝いを贈る必要はありません。ただし初節句祝いをいただいたにもかかわらず、都合が合わずに出席できなかった方に対しては、初節句内祝いの品物を贈りましょう。
お礼状は3日内に出す
食事会へ招待していない方や都合がつかず初節句内祝いの会食に出席できない方から初節句祝いをいただいたら、3日以内にお礼状を出しましょう。そして、初節句が無事に終わった後に、改めて初節句内祝いの品を贈るのが一般的です。品物を贈る際には、無事に初節句が終わったこと、内祝いの品物を贈ることなどを伝えるメッセージも忘れずに添えましょう。
半額または3分の1の金額を基準に選ぶ
初節句内祝いの品は、いただいた品物の半額~3分の1にあたる金額を基準に選ぶのが基本です。いただいた品よりも高価な内祝いを贈ってしまうと、マナー違反にあたるため要注意です。また、なかには高額の初節句祝いを贈ってくれる方もいます。そんな方へ対しては、無理に「半返し」にこだわる必要はありません。3分の1ほどの金額を基準に、品物を選びましょう。具体的な品物としては、名入れのスイーツやゼリーなどの食品、タオルなどの日用品が人気です。メッセージカードなどを添えると、より丁寧な印象になります。
初節句内祝いを贈るタイミング
初節句内祝いは、初節句が済んだらなるべく早く贈ります。遅くとも、その月内にお相手のもとへ届くように手配するのが理想です。
のし紙の選び方
紅白の蝶々結びになった水引、「内祝」という表書きがあるのし紙を選びましょう。男の子の場合は「菖蒲」女の子の場合は「桃の花」と記載する場合もあります。のし下には、両親の名前ではなく子どもの名前を記入しましょう。
初節句内祝いの定番ギフト
内祝いを選ぶ際、「どんなものを贈ればいいのか」と迷ってしまう方は多いはずです。ここでは、初節句内祝いの定番ギフトの例をいくつかピックアップしました。相手の好みや家族構成などを考慮しながら、品物を選んでいきましょう。
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お菓子各種(洋菓子・和菓子)
洋菓子・和菓子などのお菓子は人気のアイテム。クッキーやマドレーヌ、おせんべいなどのお菓子は幅広い年齢層に喜ばれます。家族が多い方へは、小分けしやすい個別包装タイプのお菓子がおすすめです。逆に1人暮らしの方、高齢の祖父母などは一度にたくさんの食品を食べるのが難しいので、保存しやすく日持ちする焼き菓子などを贈るのが良いでしょう。また、赤ちゃんの名前をお菓子やパッケージへ入れる「名入れギフト」も人気です。
タオル
タオルも、内祝いでは定番の品。何枚あっても困らない使い勝手の良い日用品です。人気ブランドのタオルを贈るのはもちろん、洗剤やほかの日用品と組み合わせて贈るのも喜ばれます。小さな子どものいる親族には、キャラクターもののタオルを贈っても良いでしょう。
紅茶
紅茶が好きな方へは、高級感を意識した紅茶ギフトを贈るのがおすすめです。スイーツとセットになっている贈り物、フレーバーティーがバラエティセットになったギフトなど、相手の好みや家族構成を意識して選びます。
コーヒー
コーヒーをよく飲むという方には、コーヒー専門店から販売されているコーヒーギフトを贈ると良いでしょう。高級感を重視したバラエティセットや、相手の健康を気遣うカフェインレスコーヒーのギフトなど、コンセプトにこだわって選ぶとより感謝の気持ちが伝わります。
洗剤
洗剤は、タオルなどと同じくいくつあっても困らない日用品。性別や年齢、家族構成を問わず幅広い方に喜んでいただけるギフトです。有名メーカーのセットを選んだり、素材や香りにこだわったギフトセットを選んだりと、相手の好みに合わせて選ぶと良いでしょう。迷ったら、洗濯洗剤やキッチン洗剤など複数の種類の洗剤を詰め合わせたギフトセットを選ぶのも手です。
名入れラベルのお酒
初節句を祝った子どもの名前が入った名入れギフトも、根強い人気があります。お酒好きな方へは、名入れラベルのお酒を贈ってみてはいかがでしょうか。ワインや日本酒、シャンパンや焼酎などお酒の種類に合わせたデザインで名入れできるお酒もあります。相手の好みに合わせることはもちろんですが、「普段は飲まないけどもらったら嬉しいお酒」について、ネットや周囲の人に聞いてリサーチしておくのもおすすめです。いつも飲んでいないお酒や、「普段飲んでいるものよりもちょっと良いお酒」を贈ると喜ばれるでしょう。
桃の節句の名入れギフト桃の節句の名入れギフト一覧へ
端午の節句の名入れギフト端午の節句の名入れギフト一覧へ
カタログギフト
品物選びに迷ったら、カタログギフトを贈るという手もあります。カタログギフトであれば相手に好みの品を選んでもらえるため、「相手の嗜好やライフスタイルに合わない品を贈ってしまった」ということも起こりません。スイーツや食品、各種日用品を取り扱っているケースが定番ですが、なかにはエステや映画鑑賞、ディナーなど体験型ギフトを扱うカタログギフトもあります。ただし高額すぎる内祝いはかえって相手を委縮させてしまうため、相手との関係性を考慮しつつ適したカタログギフトを選びましょう。
写真入りのメッセージカードも添えて
とくに近しい人たちには、赤ちゃんの写真入りのメッセージカードを添えて品物を贈るのも良いでしょう。子どもの元気な様子が伝わり、温かみのある内祝いになります。
初節句内祝いで避けるべき品物
「良かれと思って贈ったものがタブーとされている品物だった」ということは避けたいものです。初節句内祝いでタブーとされている品物、避けたほうが良い品物をいくつか紹介します。
ハサミや包丁などの刃物
包丁やハサミ、ペーパーナイフなどの刃物はタブーとされています。刃物は何かを切るために使われる道具であることから、「縁を切る」と連想されるためです。そんなつもりがなくても、相手に不快な思いをさせたり驚かせたりする可能性は十分にあります。刃物を選ぶことは避けたほうが良いでしょう。
日本茶
日本茶を良く飲む、という方は多いのではないでしょうか。しかし、日本茶は香典返しなど仏事・弔事における贈り物というイメージが強く定着しており、慶事の贈り物にはふさわしくないとされています。贈るお相手がお茶好きであっても、避けるのが無難です。
塩
塩も、日本茶と同じく弔事を連想させる品物です。最近はほかの調味料とセットになった高級ギフトも登場していますが、「縁起が悪い」と受け取ってしまう方もいるため要注意です。
クツや靴下(目上の方へ贈る場合)
初節句祝いは、家族や親しい知人から受け取るケースがほとんでです。したがって、目上の方へ初節句内祝いを贈る機会は少ないかもしれません。もしも目上の方へ初節句内祝いを贈ることになった場合は、クツや靴下をお返しするのは避けましょう。これらのアイテムは「足で踏む」と連想され、失礼にあたるためです。
クシ
クシは、「死」や「苦しみ」などの忌み言葉を連想させるアイテム。慶事のギフトとしてはふさわしくないといえます。
初節句内祝いの宴席とはどんなもの?
前述のとおり初節句内祝いには、親しい方を「食事会へ招いてお祝いする」と「品物を贈る」の2つの種類があります。前者の場合、どのように祝うのか具体的なイメージがわかないという方もいるはずです。男の子と女の子別に、宴席スタイルの初節句について紹介します。
基本は堅く考えなくてもOK
初節句のお祝いは、とくにかしこまった食事会にする必要はありません。基本的には両親や祖父母、その他の親族など近しい人を招いて食事を楽しむ席です。元気な赤ちゃんの初節句をお祝いするのが目的であるため、ホームパーティーのような感覚で企画すると良いでしょう。また、初節句プランのあるホテルやレストランで賑やかに外食するというケースも定着しています。
定番のメニュー・飾りは?
男の子であれば五月人形を飾り、柏餅やちまきなどのメニューを振舞うのが定番。また、出世魚とされるブリや、「勝男」とかけたおめでたい魚であるカツオを使ったお料理も人気のメニューです。女の子の初節句内祝いの定番は、ひな人形を飾り、ちらし寿司やひなあられ、ハマグリのお吸い物などでもてなします。甘酒を楽しむのも良いでしょう。また、ひな祭りにちなんだケーキやスイーツを用意することもあります。
ホテル・レストランを活用する場合
「人数分のお料理を作るのが大変」、「家が狭く大勢を呼ぶのが難しい」という場合は、ホテルやレストランの初節句プランを活用するのがおすすめです。人気のプランやレストランは予約の競争率が激しくなることが予想されるため、予約はできるだけ早めに入れるのが得策です。
出張シェフやケータリングを活用するのも手
「お料理や片付けの手間を極力減らしたい」という場合は、ケータリングサービスや出張シェフサービスを活用するのも良いでしょう。サービスにもよりますが、「男の子の節句のメニュー」、「女の子の節句のメニュー」というような要望を伝えておけば、初節句にふさわしいメニューを用意してもらえます。とくに、両家の親族を招待するなど大所帯になりそうなときは、こうしたサービスを賢く活用しましょう。オードブルやお寿司を頼んで、賑やかにいただくのも楽しい初節句になります。
初節句内祝いメッセージカードの例文集
初節句内祝いの品には、お礼文やメッセージカードを添えると丁寧な印象になります。「具体的にどんなメッセージを書けばいいのかわからない」という方へ向け、以下に例文をいくつかまとめました。
ややあらたまった印象のメッセージ例
「この度は、〇〇の初節句に立派な五月人形をいただき誠にありがとうございました。 さっそく部屋に飾りましたところ、〇〇(子どもの名前)も五月人形が気に入ったようで、興味深そうにじっと五月人形を眺めております。 いただいた五月人形と○○の写真を同封いたします。どうぞご覧くださいませ。 また、心ばかりの内祝いの品を贈らせていただきました。何卒ご笑納くださいませ。 今後ともよろしくお願いいたします。」
遠方からわざわざ立派な初節句内祝いをいただいた場合は、ややあらたまった丁寧な文体でメッセージを書くと良いでしょう。
「〇〇の初節句に、ひな人形の贈り物をありがとう。 〇〇は綺麗なお雛様にさっそく夢中になりました。飾られたひな人形を見て、大笑いして喜んでいます! 御礼に、内祝いの品物を贈ります。近いうちに、〇〇の顔を見に家へ遊びにきてね」
兄弟姉妹やとくに近しい親族に対しては、かしこまらず、くだけたメッセージを贈っても問題ありません。贈られた側が気持ちよく受け取れるようなメッセージを意識しましょう。
子どもだけでなく家族も嬉しい行事
赤ちゃんが健やかに育っていくことを願い、お祝いする初節句は、子どもだけでなくその家族にとっても嬉しい行事です。家族皆で気持ちよく子どもをお祝いできるよう、初節句内祝いへお招きする方への気遣いを忘れないことが大切なのです。